原理・特徴

原理

オイルは、ポンプにより送入され、シャフト内からローター内部に入り、ローター下部の2個のジェットノズルから噴出します。不純物(ダート)は、ローター内部で遠心力により分離・捕捉されます。ローターの高速回転は、オイルがジェットノズルを通過するときに発生します
 
 
特徴
  • エンジンに危険なダートパーティクルを1ミクロン以下の微細なものまで捕捉・除去します。
  • エレメントを使用していないので、取付後の追加費用がありません。エレメント使用のクリーナーにみられる時間経過後の目づまりによる効率低下がありません。また、当然ながら、使用済みエレメントの廃棄問題もありません。
  • オイルの流圧による高速回転方式なので、モーター等の駆動力を必要としません。
  • オイル中の添加剤は、オイル中の汚染物質と結合した状態で初めて、捕捉・除去されます 
 
 効果
  • オイルの汚染度を低減し安定させるため、オイル交換までの時間が長くなり、省コストにつながります。
  • エンジンのピストンリング、シリンダーボア、ベアリング、カムシャフト等の摩耗率が低下するので、エンジン全体の寿命が長くなります。また、潤滑油および燃料油の効率が向上し、消費量が低減します。
  • フルフローフィルターのエレメントライフが大幅に向上します。
 
 アプリケーション
  • 舶用および陸上用ディーゼル機関
  • 各種油圧機器
  • トラック・バス
  • 建設機械・農業機械
  • 乗用車
 
潤滑油システムの汚染とエンジン損傷

重油使用エンジンの潤滑油(LO)システムの汚染原因となるダートパーティクルの平均的な粒径分布は、右の表に見られるように、0.25~2ミクロンで約90%を占めます。ダートパーティクルの主成分は、カーボン(約25%)、カルシウム(約20%)、硫黄(約10%)です。

エンジンパーツに固着し損傷原因となる汚染物質は、主として摩耗性の高いカルシウム、硫黄、触媒残渣微粒子などがカーボンと結合した粒子群です。1ミクロン以下のパーティクルは本来無害ですが、粒子結合によりオイルフィルムの厚さ(1~5ミクロン)よりも大きく成長し、危険物質となります。

フルフローフィルターの捕捉・除去できるダートパーティクルは、5ミクロン以上であり、しかも5~10ミクロンのパーティクル捕捉率は65%程度です。

エレメント使用バイパスフィルターは、継続的に濾過精度を維持できません。また、動力駆動遠心式ピューリファイアーのみでは、オイルの汚染速度に対応することが困難です。
 
 
 SCC型遠心式オイルクリーナーは、これらの点を全て解決する
潤滑油システム清浄用装置です。